○青木美希(2023)『なぜ日本は原発を止められないのか?』文春新書
【初級。結局みんな責任を取りたくないわけよ。いろんな現場、人へと飛び回ったルポです】
新聞記者経験者ということでとても読みやすい本です。
数多くの現場を飛び回り、多くの政治家や行政、被害者から話を聞いてまとめられています。
タイトルの「止められない」は「やめられない」と読む、と思います。多分。
原子力発電を続けたいと本心から思っている人はどれだけいるんでしょうか?やめるとなると課題が多いようです。それに伴って生じる責任と費用負担が問題になりそうです。国際問題にもなるようですよ。
本書で足りないなぁと思ったのは、原発推進派の商工関係者の意見と反原発団体の利益関係だと思いました。反対派は薩摩川内ではなく、鹿児島市で反対活動しているのは見当違いだと思うのは私だけでしょうか(デモ行進も鹿児島市の観光ついでじゃないかと思います)?
新聞のアンケートでは原発の再稼働容認者が増えてきています。原発推進派の地道な活動が功を奏しているのかもしれませんね。
あっ、私が本書を手にしたのは書店で偶然目にしたからです。私が本を購入する9割は、新聞の広告欄や雑誌の新書紹介に掲載されたものです。この手の本は、こういう広告媒体には掲載されないので書店に行くことは大切ですね。原発が立地している書店なのに、堂々と置いている勇気には感服します。(2025/04/15)
○池田信夫(2024)『脱炭素化は地球を救うか』新潮新書
【初級。でも読む価値はありません】
たまには反環境保護主義者の本を読んで脳みそをブラッシュアップしようと思い購入した本です。批判覚悟と自身も述べているのですが、徹頭徹尾ナンセンスな論調が続きます。そもそもこれまで人類が経験してきた環境問題の性質に無理解です。ただ第6章の「電力自由化の失敗」だけはまともでした。ただし、私が電力会社の社員で御用学者として著者を選ぶことはないでしょう。そのぐらい環境保護主義者の意見に対抗できない内容です。脳みそをブラッシュアップするつもりでしたが、反論すら無駄だと思いました。(2024/10/09)








