FIRE・静かな退職・窓際FIRE

○海老原嗣生(2025)『静かな退職という働き方』PHP新書
【初級。静かな退職をキーワードにひとつの働き方を提案しています】
 最近話題の「静かな退職」。私も「静かな退職」を目指して生活しています。それにしても働いて上でリストラ対象になったら元も子もないですよね。「静かな退職」生活を過ごすにはそれなりの流儀が必要で、そのエッセンスを説明しています。とても参考になりました。
 日本との対比で大陸ヨーロッパの労働が出てきます。バリバリ仕事をする人と普通の人(ここで言う「静かな退職」に該当する人。認めない人もいるらしいが)が出てきて、生産性の話が出てきます。生産性をGDPで測るとそうなるよね。「静かな退職」から政策提言につながっていきます。
 「静かな退職」を目指す人も、それを管理したい人も参考になると思います。読みやすいので、サクッと読んでみてください。(2025/10/02)

○山口貴大(2022)『年収300万円FIRE貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』
 KADOKAWA
【初級。文章を子細に読むのではなく、結論のみ参考にして読む本です】
 同じ「FIRE」本であれば、下に記載した山崎(2021)を先に読むことをお勧めします。山崎(2021)に肉付けの形で読むといいと思います。細かく読むと、ファイナンシャルプランナーとしては「・・・ん?」ってところもあります。YouTube等でも情報発信しており、そちらは生きた情報だと思うので参考にしてもいいと思います。えっ、書評になっていないって?はい、結論はな~んだな感じで、種明かしをすると営業妨害になってしまうからです。(2022/04/04)

○山崎俊輔(2021)『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』
 ディスカヴァー・トゥエンティワン
【初級。FIREを目指すなら最初に読んでおきたい本】
 「FIRE」とは、「Financial Independence, Retire Early(経済的独立の獲得による早期リタイア)」の頭文字をつなげたものです。
 いきなりですが、どんな老後・人生を送りたいですか?これまでは男性であれば定年まで勤め上げ、配偶者は家計をがっちり守り、年金と退職金で老後を過ごすのが標準的なパターンだったと思います。まぁ、現在は定年は延長となり、夫婦ともに働くのが主流になりつつありますが。
 巷にあふれる「FIRE」本は、その多くが株や投資信託、果てはFXや信用取引のノウハウを扱っています。ところが、本書の資産運用については簡単に、安全性を確保するための預金の積立てと適度に分散したインデックス投資信託の活用を推奨しています(あと非課税制度のNISAとiDeCo)。
 本書の特徴は、「FIRE」を行う上で必要となる「労働で稼ぐ」「節約」「運用」を解説し、年金の知識など最低限必要な知識、そして40代、50代、プチFIRE(定年5年前)のケース検証、そして「FIRE」達成後のことについて「基本的な」ことを説明している点です。簡単に言えば、マネープラン(ファイナンシャルプランナー(FP)が言う「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」)づくりの「基本的な」ことを説明していること、となります。
 著者は、FPであり、その基本を押さえた構成になっています。あくまで「基本的な」ことを説明しているので、より実践的に活動しようとすれば、それなりにお勉強や信頼できるFPを見つけることになります。
 私の感想ですが、お金のゆとりがある老後がいいですよね。「FIRE」できなくても、「FIRE」に向けて活動することで、結果的にゆとりのある老後を迎えたいと思いました。思いの外早く貯まったら「FIRE」するかもね。うふ。(2021/11/19)