○黒川伊保子(2025)『運のトリセツ』扶桑社新書
【初級。脳科学で男性脳、女性脳からその行動を読み解く】
便宜的に男性脳、女性脳と分けて説明していますが、本書でも説明がありますがひとそれぞれです。
本書の主語は女性です。女性が男性とうまくやっていくにはどうするかについて説明しています。男性は女性ってそんなもんなんだっていうふうに理解しましょう。
脳科学者が脳みその構造から男女の違いを説明している恐ろしい本です。えぇ、男性は女性と違って単純なんです。それが良かったり悪かったり。社会は進化しても人間の本質は変わらないようです。
女性が、主婦としても、会社員としても幸せになることについて書かれています。男性陣は怖いもの見たさで読むといいでしょう。とても面白い本です。(2025/11/07)
○中野信子(2023)『新版科学がつきとめた「運のいい人」』サンマーク出版
【初級。キーワードは報酬系と快楽です。読みやすい本です】
またもや「運」です。なんかすいません。
本書の章と節はすべて「運のいい人は」で始まります。運のいい人はこんな人を脳みそと関連付けて説明されています。基本的に脳みその報酬系とドーパミンやセロトニンといった快楽が重要だということが分かります。
文章も平易で、簡潔。下記のセレンディピティについてもちょっと少ない気がしましたが触れています。
「運のいい人」となる脳みそづくりの参考にいかがでしょうか?(2023/12/21)
○クリスチャン・ブッシュ著、土方奈美訳(2022)『セレンディピティ 点をつなぐ力』東洋経済新報社
Christian Busch(2020)『The Serendipity Mindset』Curtis Brown Group Limited
【中級。多数の例示が多すぎるような・・・。各章のまとめがあって読みやすい】
「運」関係が続いてすいません。今回も次回も「運」関係です。
この本では本当に偶然で運がいいの「luck」と運命づけられた運の「fate」ではない、「セレンディピティ」を解説しています。過剰なまでの例示と著者自身の経験から、説明しています。
人は結果的に出たいい現象について、合理的に説明し、それがあたかも予定されていたかのように解釈したがりますが、実態はそうではなく、いくつかの好都合の点と点がつながり、有機的に結合する(点と点を結ぶ)結果であるとしています。セレンディピティは、餌を待つ魚のように水面に口を開けて待っているのではなく、有意義な点となるものをあらかじめ準備し、大抵は偶然の関係者により線が結ばれるとしています。
この点の準備の数々がセレンディピティ・フィールドで、そのような点を結ぶ心持ち(開かれた心、興味)をセレンディピティ・マインドセットと呼び、いつなんどきでもマインドセットを準備したフィールド上で点と点をつなぎ好都合な結果が出るとしています。
例としてポスト・イットが挙げられます。強力な糊を作る予定が逆に弱い糊ができてしまった。あっそ、で済ますのではなく弱い糊を上手く活用したのがポスト・イットです。他の例としてペニシリンの例も挙げられています。本書はそんな大成功だけではなく、恋愛や仕事がうまくいく例がいっぱいです。例はおそらく文章の半分はあると思います。
読み終えて、私もセレンディピティ・マインドセットを広げるよう知識や人脈を広げようと思いました。(2023/12/17)
○バーバラ・ブラッチュリー著、栗木さつき訳(2022)『運を味方にする「偶然」の科学』東洋経済新報社
Barbara Blatchley(2021)『What Are The Chances』Coiumbia University Press
【中級。途中の脳みその構造の部分をうまく読み流すことができれば面白い】
「あなたは運がいいですか?」という問いに皆さんはどう答えますか?本書の最後の最後は、「万事塞翁が馬」で、女神が微笑むのは、結果が出てからなんですね。問題は「運」を味方にする方法にあるとしています。願掛け、ルーチンワーク・・・科学的でありそうで非科学的ななにかであっても、それによって運が開かれるかもしれません。本書では様々な「運が良かった人(いや運が悪いような気もするが、結果運が良かった人)」を例示して、どうして運が良かったと言えるか解説しています。そして運を味方にするための脳みその構造にまで話が進みます。もちろん脳みその構造が分かればそれにこしたことはありませんが、この部分は「へ、あっそ」で肝要な部分だけ読み取ればいいのです。だって6章まで注意して読んでいれば、残りの2章でこれから気をつけることをまとめているから。
たぶん原文はとっても難しいと思いますが、上手に訳してあります。最近の訳本は以前のモノに比べて上手に訳してありますね。(2022/10/03)








